事例 私の現住所は相模原市南区相模大野なのですが不動産の登記簿には購入当時の大和市中央林間の住所が記載されています。この度、ローンを完済し抵当権抹消登記を行うにあたり、何か手続き必要でしょうか。 |
解説
不動産の登記簿に記載されている住所・氏名は登記した時に添付した住民票の住所・氏名になっています。その時から引っ越しをして住所が変わった場合、結婚・離婚などで氏名が変わった場合は、その記載を変更する所有権登記名義人住所(氏名)変更登記を行うことにより、変更できます。法務局が勝手に変更してくれることはありません。
しかしながら変更の事実があったらすぐにしないといけないかというと、そのような期限もありません。ただし、長期間放置することにより、数回の引っ越しを経て、住民票等で住所の連続性が確認できなくなる可能性もあり、通常より手間や費用が多くかかることもありますので、気が付いたら変更しておく方が良いでしょう。手続きに要する費用は不動産1個につき登録免許税1000円(土地、建物なら2000円)です。これに司法書士報酬等の諸費用がかかります。
事例のような抵当権抹消登記や贈与、売買などの所有権移転登記を行う場合、登記簿に記載されている所有権登記名義人の住所と登記申請書に記載する現住所や添付する印鑑証明書の住所と一致させなくてはならないので、住所変更登記が必要になります。売却の予定があるのであれば、売買の所有権移転の登記を行う際に、担当する司法書士が行ってくれるのが通例ですので、事前に住所変更登記をしておかなくても大丈夫です(当然ですが、その際も登録免許税、報酬、諸費用は必要です)。
また、登記名義人が法人であるときは、本店移転や商号変更で登記簿の記載と現在が異なる場合、上記の個人と場合と同様に考えてください。
①住居表示が実施された場合
お住まいの住所が、住居表示が実施されたことにより以前と住所が異なる場合があります。例えば相模原市上鶴間○○○○番地から相模原市上鶴間本町○丁目○番○号になった、大和市下鶴間○○番地から大和市中央林間西○丁目○番○号になったなどの場合です。市役所等で住居表示実施証明を取得し(無料で発行してくれます)、それを添付して住所変更登記を行う必要があります。住居表示実施の場合は、登録免許税は非課税になります。(住居表示実施証明は相模大野駅北口ボーノ5階でも発行してもらえます。)書類の取得も含め司法書士にお任せいただいて大丈夫です。
②区制施行により、住所が相模原市南区になった。
平成22年4月1日より相模原市が政令指定都市になり緑区、中央区、南区が新設されました。不動産の登記簿の権利部(甲区)に所有権登記名義人の住所氏名が記載されているのですが、この住所が自動的に変更されることはありません。しかしこの場合は新住所に変更されたものとみなされますので、住所変更登記の必要はありません。引っ越しなどの住所移転がまずあって、その後区制施行があった時は住所変更登記は必要です。登録免許税は非課税です。上記①の住居表示実施、②の区制施行の順に変更があった場合も同様です。
③住所や氏名に変更はないが、間違って登記がされてしまっている。
住所や氏名が間違って登記されることもまれにあります。その場合、原則として明らかに法務局のミスでない限り、その間違えを是正する更正登記を申請することが必要になります。登記申請書に誤記載をしてしまい、そのまま登記されてしまった場合などがあげられます。登録免許税は不動産1個につき1000円です。明らかに法務局のミスの場合は職権更正といって法務局が無料で直してくれます。
一度、ご自身の権利証(登記済証・登記識別情報通知)や登記簿謄本(全部事項証明)をご覧いただくと、登記名義人欄に現状どのように記載されているかわかります。ご不明点があれば、お気軽にご相談ください。